お話の登場人物
たいよう薬局に妊活相談で来た「ゆうかママ」(35歳)
これから妊活のことを知りたいと思っている。
将来「ゆうかママ」と「げんパパ」の赤ちゃんになる「たもちゃん」(-1歳)
パパとママに会えるのをとても楽しみにしている。
「ゆうかママ」のパートナー「げんパパ」(36歳)
仕事が忙しくて、妊活についてはゆうかママにおまかせしている。
たいよう薬局横手店の漢方相談薬剤師「大ちゃん」
妊活相談をはじめ、いろいろな漢方相談を行っている。
じゃあ、最初は、今のたもちゃんがどこにいるか、からお話をしていきますね。
僕の今のおうちってこと?
そうだよ。たもちゃんは、ママがまだママのママのお腹の中で赤ちゃんだったときから、そこにいたんだよ?だから、ずっと前からママのおなかにいたんだよ。
ママのママっておばあちゃん?
ママが赤ちゃんだった時に僕はママの中にいたの?
じゃあ、ずっと僕はママと一緒だったんだね。
そういうことだよ。
今、たもちゃんはね、卵ちゃんの状態でゆうかママの「卵巣」というところにいます。
そして、たもちゃん卵ちゃんはたくさんいるんだよ。
女性のお腹の中のイラストで説明するね。
「卵巣」っていうのは、左右にぶら下がっている「卵」みたいな形をしているんだ。
そのなかにたもちゃん卵は沢山入っている。
ママの年齢(35歳)だと、だいたい1~2万個くらいの数のたもちゃん卵はいるんだよ。
1~2万個もいるんですね。
なんか思ってたよりも数がたくさんのイメージです。
年齢を重ねるにつれて、卵の数は減っていきます。
では、卵がいつが一番多かったかというと、実はゆうかママがゆうかママのお母さんの子宮の中で胎児だったとき、胎児6か月目のときが一番数が多いんです。その数なんと700万個。すごい数でしょ?そして、ゆうかママが「おぎゃぁ」と生まれてきたときに200万個に。
えっ、もうそんなに減っちゃうの?
そうなんだよ。そしてママが初めて月経を迎えるころには20~40万個になります。こうして聞いていると、1~2万個が少ないというより、700万とか20~40万という数がとても多く感じるよね?
そうだね。そして1~2万個くらいはママの中に卵ちゃんがいるんでしょ。
卵ちゃんはどうすれば赤ちゃんになるの?
この次は卵ちゃん1個ずつの話をするね。
卵ちゃんは一番最初はね、「原始卵胞」っていう状態でいるのね。
原始っていうのは、原始時代とか「最初」っていう意味だよ。
原始卵胞は大きさが0.03mm、ちょっと分かんないよね。
300個並べると1cmくらいになるという大きさ。
300個で1cmくらいか、本当に小さいものなんですね。
そうですね、たもちゃん卵が今のおうちの卵巣の中で大体2cmくらいの大きさになると卵巣から排卵ができます。最初の原始卵胞から約600倍くらいに大きくなって、ママとパパに会うために今のお家(卵巣)から「行ってきます」ができるんです。
じゃあ、今のお家には1~2万個のたもちゃん卵がいるんなら、たもちゃんがたくさんになっちゃうね。
たもちゃん、生き物の大切なお話をするよ。
人間も動物も全部同じ話。
最初は700万個もいてくれた、たもちゃん卵のうちママやパパに赤ちゃんとして会えるのは本当に少なくなっちゃうんだ。たもちゃんがママに守られて、少しずつ大きくなって赤ちゃんになって会えるということは、本当に奇跡なんだよ。
本当にその通りですね。
赤ちゃんになって出会えるということは、ものすごい確率の分かれ道を我慢強く、負けないで大きくなれた元気で強い卵ちゃんが赤ちゃんとして出会えるということです。元気で強い卵にすること、そして元気な赤ちゃんとしてママとパパに会うために行う全てのことが妊活ですね。
原始卵胞が卵巣から排卵できるようになるまで、6か月間卵巣の中で大きくなります。そして卵巣から「行ってきます」ができる卵のことを「成熟卵胞」といって、選ばれた1個の卵が出発することになります。
原始卵胞のときは、まだ眠っている状態です。
20代のころは、一回の月経周期で約1000個の原始卵胞が目覚め、その中から1個が選ばれて排卵します。候補が1000個からのスタートです。
それが、30代になると500個からのスタートに。
40代になると10個からになってしまう。
とても現実的な話で、なんか心配になっちゃいます。
20代のころには戻れませんから、今からできることを考えていきましょう。
先ほど、眠っている原始卵胞が排卵される成熟卵胞になるまで6か月間かかると言いました。眠っている間よりも、目覚めてからの卵が本当の勝負です。その6か月間に何が起きていて、何をすればいいかを今度は説明しますね。
この次はちょっと元気が出る話ですよ。
【最重要】赤ちゃんがママのお腹に授かる最初から最後まで②
目覚めた原始卵胞を6か月間で質の良い卵子にするために
妊娠するための3つの要素というのがあります。この3つが揃えば妊娠できるはずですよ、と言われています。
- 良い卵子
- 元気な精子
- 良い子宮の環境
ママ:これはどこかで、聞いたことがあります。全部「子」という字が付くんですね。
改めて3つにまとめられるなら、スッキリ頭に入る気がします。