そこが知りたい!薬局で買える緊急避妊薬(アフターピル)
薬局で買える緊急避妊薬(アフターピル)とは?
副作用は?値段は?どのくらい効くの?どこで買える?避妊成功のサインは?
2026年2月2日から緊急避妊薬が薬局でも購入可能になりました。
そもそも緊急避妊薬とはどういうものか?
何に気を付けなくてはならないのか?についてまとめました。
この記事を読むと以下の内容が分かります。緊急避妊薬の服用を検討する女性が抱きやすい疑問・不安について実際によく聞かれる視点を踏まえて整理しました。
文責 たいよう薬局横手店 薬剤師 塩田大覚

目次1
- 【緊急避妊薬の重要事項まとめ】
- 【副作用】緊急避妊薬はの副作用は?
- 【値段と種類】値段は?どんな種類があるの?アクセスの問題
- 【いつ、どこで購入できるの?】
- 【何を聞かれる?】薬局ではどんなことを聞かれますか?
- 【効き目は?】他の避妊法と比べてどれくらい効くの?
- 現時点で妊娠していないかの判断
- 自分の体についての不安
- 避妊ができなった。これからどういう体調変化が起こるの?
以下の目次は緊急避妊薬の説明ではなく、服用される方の状況や背景に関する内容です。薬局で薬剤師と対面でお話しずらい内容についてまとめています。
目次2
- 避妊できなかった状況について
- 精神的な心のこと
- DV・支配・強要が関係する場合
- 犯罪(性暴力・不同意性交)が関係する場合
- プライバシー・周囲に知られないか
- 今後の健康・将来への不安
- あなたが決定できること、持っているもの(権利)
【緊急避妊薬の重要事項まとめ】
- 保護されなかった性交から緊急避妊薬の服用までの時間は早ければ早いほど、避妊の成功率が高まります
- 服用する本人が来局する必要があります(ネットでの販売はできません、本人がいないと販売できません)
- 緊急避妊薬は購入後に薬剤師の目の前で飲むことが必要です(持ち帰りができません)
- 未成年でも、一人で買うことができます
- 緊急避妊薬が受精卵や胎児へ悪い影響を及ぼすことは認められていません
- 緊急避妊薬は2~5日程度排卵を遅らせる薬ですが、薬の効き目が無くなった後は排卵が再び起こる可能性があります
- 緊急避妊薬を服用した後で月経のような出血があった場合でも、服用して3週間後に妊娠検査薬の使用や産婦人科での妊娠の確認を勧めます(月経のような出血が、妊娠後の異常出血の場合がいあります。)
- 最終的に緊急避妊をするかどうかは、女性ご本人に決定権があります

緊急避妊薬の副作用は?
緊急避妊薬の副作用は?
①実際の製品(ノルレボ錠1.5mg)の副作用は以下です。(ノルレボ錠1.5mg添付文書より)
- 消退出血 46.2%
- 不正子宮出血 13.8%
- 頭痛 12.3%
- 悪心(ムカムカ気持ち悪いこと) 9.2%
- 倦怠感(体のだるさ) 7.7%
- 傾眠(眠くなること) 6.2%
消退出血とは正常な生理月経のことですので、緊急避妊の成功として期待すべき反応です。
不正子宮出血は消退出血とは違い、出血期間が長い、出血量が多いなどの特徴があります。緊急避妊薬を飲んた後で出血が起こった=避妊の成功ではないこと、を把握しておきましょう。適宜、妊娠検査薬や婦人科の受診が望まれます。
②もう一つ副作用データがあります。(日本国内においてのノルレボ錠の使用成績調査より)
- 悪心 2.25%
- 下腹部痛 0.96%
- 頭痛 1.38%
- 傾眠 1.04%
- 不正性器出血 1.21%
- 乳房障害 2.08%
嘔吐はほとんど見られません。吐き気止めの予防投与は推奨されていませんが、実際に気持ちが悪くなったときなどのために備えておきたいという方のために、お声掛けさせていただくことがあります。
吐き気・嘔吐が起こりませんか?
悪心(ムカムカすること、吐き気)は10~40人に1人の割合で起こる可能性があります。
嘔吐(実際に吐くこと)は海外の副作用データでは確認ができますが、日本による臨床試験、国内の使用成績調査では発生が見られません。緊張や不安がひどい場合に嘔吐まで発展することがあるかもしれませんが、データ上は嘔吐に関しては気にしすぎない方が無難です。
実際に嘔吐してしまったときはどうする?
緊急避妊薬を服用後2時間以内に嘔吐した場合は、お薬が完全に吸収される前に嘔吐してしまった可能性が否定できませんそのため、直ちに1錠追加して服用することが推奨されます。もしもそうなってしまったときは、購入されたお店へご相談ください。
頭痛、めまい、倦怠感、腹痛、胸の張りはどの程度続くの?
どのくらい副作用が続くのかも知っておきたい部分です。
頭痛、めまい、腹痛は服用後の数時間後に発生し、だいたい半日~2日くらいで治まります。
倦怠感や胸の張りはそれらよりもう少し長く、だいたい3~5日ほど続く場合があります。
日常生活や仕事・学校に支障が出ませんか?
誰しも緊急避妊薬の服用や状況に慣れている方はおられませんので、不安や緊張など精神的な不調を起こしやすいと思われます。そして、そういう時は体の不調も起こりやすいです。ただし、緊急避妊薬の服用によって支障が出ると考えすぎず、普段通りの生活を心がけることが大切です。
無理はしないことが大切です。必要があればお仕事や学校をお休みして、安心できる環境で過ごすことも検討してください。
- 食事は消化の良い物で。そして温かい食べもの、温かい飲み物を心がける
- 締め付けのキツい衣服を避けて、ゆったりとしたものを着る
- なるべく冷えを避けて温かく過ごす
- 不安や緊張で呼吸が浅くなることがありますから、なるべく深呼吸を心がける
- 好きな香りやリラックスできる香りを試してみる
気持ちや体をリラックスさせてください。
将来の妊娠や体に悪影響は残らない?受精卵や胎児への影響は?
現在使われているレボノルゲストレル製剤(ノルレボ錠など)は、将来の妊娠能力に影響をしません。
また「後遺症として残る悪影響」もありません。
将来の妊娠と緊急避妊薬の使用の関係について少し解説します。
緊急避妊薬は一時的に排卵を遅らせる、抑える働きをします。そして卵巣を傷つける作用はありません。次周期以降の排卵は通常通り回復します。よって不妊の原因になることはありません。
緊急避妊薬は月経困難症で服用する低用量ピルのような継続服用薬とは違います。単回(一度きり)の使用ですので、乳がん・子宮がん・血栓症などの危険性が増えることはありません。
女性がご自身の判断で使用を決めた場合は、将来の妊娠や体への悪影響が残るようなことはありませんので安心して使用してください。
そして妊娠初期に緊急避妊薬を服用した場合に、受精卵の着床阻止効果はなく、流産の原因にもなりません。また、緊急避妊薬が胎児に対して先天異常を及ぼすことは認められていません。先天の異常は服用の有無にかかわらず一定割合存在します(出生の2~3%)。出生された胎児に仮に先天異常があった場合に、「緊急避妊薬を服用したから異常が起こったのではないか?」とご自身の判断を責めることが無いようになさってください。
何度も使うと体に悪い?
一度きりの服用なら大丈夫でも、何度か使用する場合も気になるところです。
何度か使用する場合でも将来の不妊になることはありません。
ただし月経不順、不正出血、副作用が出やすくなる可能性はあります。
排卵を遅らせるため月経が後ろに伸びることが考えられ普段よりも月経が不規則になりやすいです。緊急避妊薬の副作用の部分で説明した不正出血やその他の副作用も飲む回数が増えると起こることが増える可能性があります。
つまり安全な薬ですが、常用は勧めないということです。
値段は?どんな種類があるの?アクセスの問題
値段、種類について
2026年2月2日現在、緊急避妊薬『ノルレボ』が発売されています。
錠数は1錠で、希望小売価格は税込みで『7480円』です。ノルレボ錠は1回1錠を服用して終了になりますので、緊急避妊に必要な金額は、販売数量は1錠の『7480円』ということになります。
また同2月2日現在、もう一つの製薬メーカーから発売の準備がされているそうです。
金額が免除になる場合
決して安い値段ではないというご意見もいただきます。その反面、「避妊に失敗して後々で心と体ともに大変な状態になってしまうことを考えれば安い」という購入希望者のご意見もいただいております。
その中でも、性犯罪の被害に遭った場合は緊急避妊薬やそれに伴う医療費に関して公費負担が適用される制度があります。あなたが被害者となって加害者の処罰を望む場合は、被害にあった場所の所轄警察署へ電話をするか、各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる番号へ電話することができます。
性犯罪被害相談電話 電話で『#8103』で発信してください。(全国共通)
性犯罪被害相談電話とは
警察にすぐに電話するかを「決められない」「迷っている」「どうしたらいいか分からない」ときは『ワンストップ支援センター』という機関があります。性犯罪に遭ってしまったけれども、いますぐ警察に電話するのは気持ちが決まらない場合、今の状況をお話することができて、あなたのために相談にのってくれる相談機関です。薬局での緊急避妊薬の購入される方はさまざまな状況が考えられるために、連絡先を記します。
ワンストップ支援センターの連絡先 電話で『♯8891』で発信してください。
ワンストップ支援センターとは
上記のような場合を除き、薬局で緊急避妊薬を購入する場合は費用が発生します。
病院に行く時間が無い
病院へ行く時間が無いという場合は、薬局での市販薬の購入・服用をお勧めいたします。薬局で購入しその場で服用しますので、時間を短縮できます。避妊行為の失敗から緊急避妊薬の服用までの時間が短ければ短いほど、妊娠を阻止する確率が上がります。
時間別の妊娠阻止率
0~24時間以内・・・95%
25~48時間以内・・・85%
49~72時間以内・・・58%
(日本産科婦人科学会『緊急避妊法の適正使用に関する指針』より)
あなたの判断により、緊急避妊薬の服用を決めた場合は、なるべく早く服用することが望ましいため、薬局での購入をご検討ください。
未成年1人で薬局に行っても買える?
緊急避妊薬は未成年の方でも購入することが出来ます。
そして親の同意は不要です。
『自分は未成年で、一人でも購入することが出来ますか?』→購入することができますので、安心して薬局へいらしてください。当薬局で購入をご希望される場合は、あらかじめLINEまたはお電話をいただけると助かります。
たいよう薬局横手店
連絡先: 0182-35-6676
住所:秋田県横手市条里3丁目1番10号 → 地図へ
薬局で薬剤師による対面販売が必須になります
ネット販売やご自宅への郵送・宅配などは認められていません。
ご本人以外には販売することができません
ご本人が来局することなく、親御さんやパートナーの方への販売はできません。
販売した薬は薬剤師の面前で飲んでいただきます
緊急避妊薬は販売したものを持ち帰ることはできません。そのため説明と販売が終了後、薬剤師の目の前で服用の確認が必要です。
販売に際しては、薬剤師からの安全な使用のための説明や確認が行われます。
緊急避妊薬の販売は国の行う講習や試験に合格した薬剤師のみが対応することが義務付けられており、購入希望のお客様に配慮した接客を行うことが義務付けられています。
いつ、どこで購入できるの?
どこで購入できますか?購入可能な時間は?
たいよう薬局横手店の営業時間は
月・火・水・金
9:00~18:00
木・土
9:00~17:00
です。
あらかじめ、お電話でお薬を購入希望の旨、ご連絡いただけるとよりスムーズです。
もしも当薬局への来局予定時間に販売が難しい場合は、最寄りの販売対応薬局をご紹介いたします。
緊急避妊薬を販売する薬局についての情報を以下のサイトにて確認することが出来ます。
所在地、販売時間、販売する薬剤師についての情報などが掲載されています。(Excelファイルのため見ずらいかもしれません)
厚生労働省サイト 緊急避妊薬の調剤・販売について
薬局ではどんなことを聞かれますか?(当薬局の場合)
ご質問する内容について
薬局ではどんなことを聞かれるのか、本当にお薬を販売してもらえるのかは大変気になることと思いますので、少し詳しく書きたいと思います。
当薬局ではプライバシーに配慮し、おうかがいする事項は必要最低限にしております。もちろん色々とご相談がある方は聞いていただいて結構です。
あまり聞かれたくないという方もおられる前提で、どちらの方の場合でも、緊急避妊薬の服用をご希望する方が安心・安全に服用できるような対応を準備しております。
<販売の流れ>
①本人確認
→ ②③問診
→ ④お薬の説明
→ ⑤お支払い
→ ⑥その場での服薬
①本人確認(当薬局の場合)
緊急避妊薬を購入することができるのは『服用するご本人のみ』です。親御さん、家族、パートナーさんへの販売はできません。
特別な場合を除いて、氏名や住所などを確認することはありません。(特別な場合とは、薬剤師が必要に応じて判断する場合で、例えば頻回の服用が確認される場合などがあります)
確認の仕方は口頭で行いますが、その際に身分証の提示などは必要ありませんのでご安心ください。
②問診(禁忌事項の確認)
以下の方は緊急避妊薬を服用することができません。
- 妊娠されている方
- 過去に緊急避妊薬でアレルギーを起こされた経験のある方
- 重篤な肝機能障害のある方
③問診(その他、情報の聞き取り)
- 年齢(だだし申告による。身分証の提示などの必要はありません)
- 現在飲んでいる併用薬やサプリメント
- 授乳の有無(もしも授乳されている場合は、緊急避妊薬が乳汁中へ移行するため、服用後24時間は授乳を避けることが望ましいとされています。)
④お薬の説明
以下の内容について、文書でご説明します。
服用前の注意
□ 次に該当する方は、この薬を服用することができません。(重篤な肝障害のある方、妊婦)
服用後の注意
□ 一時的ですが気持ちが悪くなったり、吐いたりする場合があります。この薬を服用後2時間以内に吐いてしまった場合は、追加服用の必要があるかもしれないので、再度ご相談ください。
□ 頭痛、めまい、腹痛、倦怠感、眠くなるなどの症状があらわれることがあります。
□ 月経のような出血や不正子宮出血があらわれることがあります。
□ 月経周期や出血の状況(日数や量)に一時的な変化が見られることがあります。
□ セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズ・ワート)含有のサプリメントやハーブの摂取はしないように気をつけてください。
□ この薬を服用しても、性感染症の予防にはなりません。心配な場合は医師に相談してください。
□ この薬を服用しても、完全に妊娠が回避できるものではなく、妊娠・異常妊娠となる場合もあります。
□ この薬の服用後も無防備な性交が行われた場合、妊娠する可能性が高まるので、妊娠を避けたいというのであれば、適切な避妊を行ってください。自分に合った避妊法については、医師または薬剤師に相談してください。
(授乳中の方のみ)
□ この薬の成分は乳汁中に移行しますので、授乳中の方は、服用後少なくとも 24 時間は授
乳しないでください。
⑤お支払い(当薬局の場合)
当薬局での支払いには
- 現金
- QRコード・バーコード決済
- クレジットカード
がご利用いただけます
⑥その場での服薬
薬剤師の面前でお薬をお水で服用していただき、終了となります。
他の避妊法と比べてどれくらい効くの?

緊急避妊薬の効果について
緊急避妊薬の効果は以下のようになっています。
時間別の妊娠阻止率
0~24時間以内・・・95%
25~48時間以内・・・85%
49~72時間以内・・・58%
(日本産科婦人科学会『緊急避妊法の適正使用に関する指針』より)
あなたの判断により、緊急避妊薬の服用を決めた場合は、なるべく早く服用することが望ましいため、薬局での購入をご検討ください。
妊娠を回避する方法とその効果について(パール指数について)
『100人の女性がその避妊法を1年間使用した場合に起こる妊娠数』= パール指数と言います。
例えば、パール指数が5という避妊法があったとすると、100人の女性がその避妊法を1年間使用した場合に5人の女性が妊娠するということです。
これは言い換えると『1年間に100分の5、つまり20人に1人が妊娠する(=避妊に失敗する)避妊法』だということになります。
パール指数はその数値が高いほど妊娠する
⇒避妊に失敗しやい
逆に数値が低ければ低いほど妊娠しない
⇒避妊に成功するということ
になります。
以下に各避妊法におけるパール指数についてまとめます。(日本国内で承認されている方法のみ)
パール指数の評価として、1未満だと避妊効果が高く、10以上あると妊娠リスクが比較的高いと言われています。
| 避妊法 | パール指数 | 備考 |
| 避妊無し | 85 | |
| 性交中絶法(膣外射精) | 4 ~ 22 | 前立腺液(我慢汁)の影響 |
| 女性用コンドーム | 5 ~ 21 | 装着技術で影響 |
| 男性用コンドーム | 2 ~ 18 | 使用方法に依存(常に装着されているか) |
| 経口避妊薬(低用量ピルなど) | 0.3 ~ 9 | 正確に飲めていると避妊効果は高い |
| 不妊手術(女性 卵管結紮) | 0.5 | 永久避妊 |
| 不妊手術(男性 精管結紮) | 0.15 | 永久避妊 |
| ミレーナ(LNG-IUS) | 0.1 ~ 0.2 | 使用者の依存性が無い |
緊急避妊薬のパール指数は?
パール指数の考え方に緊急避妊薬の使用は適さないため、パール指数はありません。
パール指数は1年間継続してその避妊法を使用した場合という前提があり、緊急避妊薬を1年間継続して使うという状況を想定していないためです。
緊急避妊薬の効果については
時間別の妊娠阻止率
0~24時間以内・・・95%
25~48時間以内・・・85%
49~72時間以内・・・58%
(日本産科婦人科学会『緊急避妊法の適正使用に関する指針』より)
をご参考ください。
他の緊急避妊法にはどんなものがあるの?
72時間以内に行われる緊急避妊法(ノルレボ以外)
1つ目は、Yuzpe法(ヤッペ法)と呼ばれる方法です。中用量のピルを12時間のインターバルで2回内服します。
しかし普通は、病院に通院してお薬を処方してもらう必要があります。普段から中用量ピルを処方してもらっている方はこの方法によって緊急避妊を試みることが可能です。
2つ目は、低用量ピルによる緊急避妊です。
・第2世代経口避妊薬(医師による処方が必要)4錠を12時間ごとに2回服用する
・第3世代経口避妊薬(医師による処方が必要)3錠を12時間ごとに2回内服する
という方法があります。普段から低用量ピルを処方されている場合で、手元に薬剤がある場合に取りうる方法となります。
つまりこれらの2つの緊急避妊法は、中用量または低用量ピルを手元に持っている場合、普段から処方してもらっている場合に取りうる方法になります。種類によっても違いがあり、また処方薬であるという観点から、手元にお薬がある場合でも必ず処方医に確認することが強く勧められます。
ピルを手元に持っていない場合は、医師に受診するか、薬局で緊急避妊薬を購入・服用する方法で緊急避妊を行うことになります。
(参考)120時間以内に行われる緊急避妊法
こちらの方法は、病院の受診が必要ですが、銅付加子宮内避妊具(Cu-IUD)または薬剤付加IUD(LNGーIUS、Mirena®)という方法もあります。
服用するタイミングが遅かったときは?
緊急避妊薬の用法用量に『性交後72時間以内の服用』と記載がある通り、72時間を超えた場合は緊急避妊薬の効果が著しく低下します。
また性交後から服薬までの時間が短ければ短いほど効果が高いため、速やかな判断が望まれます。
参考:
時間別の妊娠阻止率
0~24時間以内・・・95%
25~48時間以内・・・85%
49~72時間以内・・・58%
たいよう薬局横手店では公式LINEアカウントから購入希望のご連絡をいただくこともできます。
たいよう薬局横手店公式アカウントURL
こちらのLINEアカウントを登録し、チャットメッセージにてご相談いただいても構いません。
排卵がすでに起きていたら無意味?
結論から申し上げると、排卵が起こっていたとすると緊急避妊薬の効果は期待できません。緊急避妊薬は排卵を遅らせるまたは排卵を抑制することで、精子が卵子と遭遇するタイミングを回避するためのお薬です。緊急避妊薬を服用するとだいたい2~5日程度、排卵を遅らせることが出来ます。この間に精子の受精能力(だいたい5日以内)が低下するために妊娠を妨げることが可能となります。つまり精子が生きている時間に、卵子と出会わないようにする目的で、卵胞からの排卵を遅らせることで、受精を阻止します。
参考:【排卵とは?】
普段、卵子は卵胞という袋に包まれた状態で、卵巣というところにいます。ホルモン変化が起こることで、卵子は卵胞から飛び出て(このことを排卵と呼びます)、精子と出会うことが可能な状況になります。
もしも卵胞からの排卵が起こっていた場合や、LHサージ(排卵直前のホルモン上昇)が起こった後ではほぼ無効とされています。つまり排卵の波が起こりきった段階では、緊急避妊薬の服用をもってしても排卵を遅延させることはできないこともあります。
また帯下(おりもの)の量が増える、透明でよく伸びる、ヌルヌルするようになるなどの変化は排卵期に見られるとされ、エストロゲンが高くなってLHサージ(排卵直前のホルモン上昇)と一致することが多いですが、帯下(おりもの)が無いからと言って排卵が起こっていないとは言い切れません。そのため性交後速やかに緊急避妊薬を服用し排卵が起こらないようにしてあげることが大切です。
緊急避妊薬の効き目に関する誤解
次の場合のような作用は緊急避妊薬にはありません。
- 排卵後の受精を妨げる作用
- 受精卵の着床を妨げる作用
- すでに成立した妊娠を中断する作用
そのため、避妊を目的としていても、上記のような事実が考えられる場合は、婦人科への相談が必要になります。
また、排卵を遅らせる効果は2~5日間と言われています。そのためお薬の効果が無くなった後は自然の生理周期に従って排卵が起こるため、適切な方法で避妊を行う必要があります。
効き目が弱くなる体質はある?
次のような方は緊急避妊薬の効き目が弱くなりやすいと言われています。
①体重が多い方
BMIが25以上で効果が低下する傾向があります。そして30以上で明確に効果が減弱します。
緊急避妊薬は油に溶けやすい性質を持っており、BMIが高い場合は体の脂肪組織にお薬が分布して、十分な血中濃度が十分に上がらないことが考えられます。しかし、お薬の安全性には全く問題がありませんので、BMIが高い場合でも使用することは可能です。
参考:BMI計算式 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例)
身長160cm = 1.6m
体重60kg
BMI=60(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=23.43
BMIが高くて効き目が出にくいと考えられる場合に、避妊の効果を上げる方法は、なるべく速やかな緊急避妊薬の服用が推奨されます。
②消化吸収が悪い方、胃腸が弱い方
下痢・嘔吐があったり、普段から軟便気味な方、胃腸機能が低下している方は、薬剤の吸収力が低下している可能性があるため、緊急避妊薬の血液中濃度が十分に達しにくい場合があります。緊急避妊薬を服用する前後の食事は消化しやすくて、温かいものを食べましょう。
また疲れやストレスで胃腸に影響が出やすい方は服用後なるべく安静にすること、自分の環境からストレスの要因を排除することも大切です。
負担から胃腸が弱いと考えられる方の場合も、避妊の効果を上げる方法は、なるべく速やかに緊急避妊薬の服用をすることになると考えます。
緊急避妊が成功したかはどう判断するの?
緊急避妊薬の効果の確認についてまとめます。
95%の女性が次回予定月経から7日以内に出血があります。また予定月経よりも早く、または遅く出血が起こる場合も少なくありません。
ただし注意として、妊娠初期の異常出血(流産、異所性妊娠を含む)が月経と認識される場合には注意しなくてはなりません。
つまり大切なことは、
出血があったからと言って確実に避妊に成功したとは限らない、妊娠後の出血や異常妊娠の可能性がある、ということです。
流産や異所性妊娠がある場合は、母体のために医師の診察と判断が必ず必要になります。(異所性妊娠とは、正常な妊娠位置以外で受精卵が大きくなっていくこと)
緊急避妊薬の服用から3週間後には妊娠検査薬の使用による効果の判定が推奨されます。
または産婦人科受診による妊娠の診断が求められます。
緊急避妊に失敗したら(妊娠した場合)どうなるのか?
現実問題として、緊急避妊に失敗した場合(妊娠が確認された場合)に、望まない妊娠を回避するためには、次の方法が考えられます。
①経口中絶薬(妊娠9週0日まで)
経口中絶薬は麻酔が不要で子宮内膜などが傷つく危険性が少ない反面、出血・腹痛を伴います。入院または厳格な管理下で実施され、全ての医療機関で対応しているわけではありません。
②人工妊娠中絶手術(妊娠11週6日まで)
日本では人工中絶法として最も主流です。麻酔を行い子宮内容を除去します。術式として子宮内容を吸引する吸引法と、子宮内容を医療器具を用いてかき出す掻把法があります。
麻酔を行って手術をうけることが出来ること短時間で手術が行えることが良い反面、子宮に傷がついたり、麻酔トラブルなどが考えられます。
③中期中絶(人工死産、妊娠12週0日~妊娠21週6日まで)
中期中絶は『分娩(ぶんべん)』です。入院が必須で薬剤を用いて陣痛を誘発させ分娩に近い経過となります。死産届と埋葬が必要です。費用がかかります。
④22週0日以降は人工妊娠中絶が不可になります
(参考)妊娠週数のカウントの仕方
最終月経開始日(最後の生理が開始した日)を0週0日とします。
例)最終月経開始日が6月1日だった。今日が7月13日だった場合。
妊娠週数は「6週0日」です。
計算の考え方
- 最終月経開始日:6月1日(=妊娠0週0日)
- 今日:7月13日
6月1日 → 7月13日までの日数
= 42日
妊娠週数は
- 1週=7日
- 42日 ÷ 7日 = 6週0日
結論
- 妊娠6週0日
※臨床では最終月経開始日を0週0日として数えるのが標準です。
人工妊娠中絶について重要なポイント
- 早期であるほど選択肢が多く、身体的負担が少ない
- 妊娠に気づいたら
『気持ちはしんどくて、どうするか決まっていなくても、まず産婦人科を受診』 - 中絶方法の選択は
「週数」「安全性」「医療機関の体制」で決まります - 緊急避妊薬の失敗は女性の責任ではありません
どんな時に人工妊娠中絶になる?
避妊の方法を選択したものの後に妊娠検査薬で陽性反応が出て
妊娠の継続を希望しない場合に
人工中絶を選択することになります。
これには母体保護法という法律に基づいてお話をします。
医師(通常、産科医)は、本人と配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行います。
- 母体の性質や経済的な理由によって、女性の健康に多大な被害の恐れがあるとき
- 犯罪に遭って妊娠した場合
そして女性に配慮を要する場合では、本人の同意だけで人工中絶手術を受けることができます
(参考)
母体保護法 第14条
都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人だる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
一 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
二 暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの
2 前項の同意は、配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなったときには本人の同意だけで足りる。
現時点で妊娠していないかの判断

もしも現時点で妊娠していることが明らかになった場合は、緊急避妊薬の服用は適さないことになります。緊急避妊薬は中絶のためのお薬ではなく、妊娠が成立していない状態の時に、精子の生存期間が過ぎて受精能力が無くなるまで排卵を遅らせる薬です。つまり緊急避妊薬は妊娠が成立している場合は、服用の意味がないお薬になってしまいます。
以下の例について、緊急避妊薬の服用が適当かどうか、妊娠の可能性があるのかまとめます。
なお避妊せずに行われた性交、または避妊したものの避妊手段が適切かつ十分でなかった性交のことをUPSI(Unprotected sexual intercourse)と呼びますが、そのような性交のことを以下の記事では「▲」「△」と呼ぶことにします。
前提の知識の確認事項
①▲の性交後3週間時間が空いていないと、妊娠しているのに妊娠検査薬では陰性反応が起こることがあります
→『妊娠検査薬で陰性だからといって、妊娠を100%否定できない場合がある』
②もしも妊娠している場合、通常の月経だと思っていたものが、妊娠後の異常出血、異常妊娠による出血である可能性があります。通常の月経と思っていても、妊娠している可能性はゼロではないことがあります。
→『出血したからといって、それが通常の月経ではないことがある=妊娠を100%否定できない場合がある』
どうしてこのことを記すかと言うと、緊急避妊薬を服用して数日後に出血が起こったから避妊に成功したと判断してしまい、妊娠をした事実を知らずにさらに数週間適切な診察や処置を受けないまま時間が経ってしまい、のちのちの選択肢を狭めてしまうことがあるからです。
このような判断の間違いによって、緊急避妊薬を必要とする方に不利益が起こらないようにするためには、
- 緊急避妊薬服用の前に妊娠の有無を確認した方がいいケース
- 緊急避妊薬の服用して3週間後に妊娠検査薬を使用して確認することが必要であること
- 自分で分からないとき、不安な時に取りうる行動は2つあります
- 産婦人科を受診すること
- 緊急避妊薬を販売することができる薬剤師に相談すること
を知っておいて欲しいと思っています。色々なケースを見ていきます。
ケース① 前回も今回も月経は通常通りに来た。今回の月経の後で▲があった。
▲があった時点で、妊娠はしていない可能性が高いため、緊急避妊薬の服用が勧められます。
ケース② 前回も今回も月経は来た(と自分では思っている)。今回の▲の前に性交(△)がある。
今回の▲の前に△が一度あった場合は、前の△で妊娠している可能性が否定できないことになります。
その△で妊娠をしていた場合は月経が来たと思っていても今回の出血が妊娠初期における異常出血である可能性があります。そのため緊急避妊薬を購入して服用する前に妊娠検査薬を使用して妊娠の有無を判断し、前回の△による妊娠を否定してから緊急避妊薬を服用するかどうか決定することも考慮します。
前回の△と今回の▲の間が3週間空いている場合は、妊娠検査薬の検査結果の信頼性は十分と思われますが、前回の△から3週間時間が経過していない場合は、妊娠検査薬の結果の信頼性が低くなることが考えられます。緊急避妊薬を服用するには、販売をする薬剤師とよく相談してください。
ケース③ 月経周期が短い、長い、バラバラなど周期が不順な場合
月経周期が不順な場合は、排卵がどの時点で起こっているかが時期がつかみにくいと言われています。そのため、出血があった場合にそれが通常の月経なのか、妊娠初期の異常出血なのか分かりにくく、見た目だけでは判断ができないケースもあります。
今回の▲の前に△がなければ、速やかに緊急避妊薬の服用が勧められます。
もしも今回の▲の前に3週間以上前に△があったときは、月経と考えられる出血があった場合でも、妊娠検査薬を使用して陰性を確認してから緊急避妊薬を使用します。
それでは今回の▲の前に3週間以内に△があったときは、私ならばまずは緊急避妊薬を速やかに服用して、適切な時期に妊娠検査薬を使用するべきと思います。これについては、産婦人科に相談するか、研修を受けた薬剤師に相談してみてください。
ケース④ 確実な避妊法を継続的に使用していない場合
具体的には、ピルを処方されているが定期的に服用していない場合、完全に保護されていない▲が複数回ある場合などが挙げられます。
もしも出血があり月経が開始したと判断していても、今回の▲の前に△があったときは③と同じ判断をします。つまり△から今回の▲までに3週間以上時間が経っていれば妊娠検査薬を使用してから緊急避妊薬服用を検討します。前回の△から3週間が経過していないときは、まずは緊急避妊薬を服用し、時間をおいて妊娠検査薬を使用します。
お近くの産婦人科または研修を受けた薬剤師に相談してみてください。ピルを処方されている場合、避妊効果については非常に優れていますので、医師の指示通りに服用されることを強くお勧めいたします。
ケース⑤ 流産・中絶後、月経が再開していない場合
流産や中絶のあと7日間以内の▲ならば、妊娠している可能性はないと判断します。心配な場合は産婦人科へ相談してください。流産や中絶の後8日以上経ったときの▲ならば、月経が再開していなくても排卵が起こっている可能性があるため緊急避妊薬を使用します。今回の▲の3週間以上前に△があるときは妊娠検査薬で妊娠を否定してから緊急避妊薬を使用します。しかし今回の▲の3週間前以内に△があったときは、緊急避妊薬を服用し、適切な時期に妊娠検査薬を使用します。
ケース⑥ 分娩後に▲があった場合
分娩後、4週間は妊娠の可能性はないと考えられますが、⑤と同じ考え方で、▲があったときは緊急避妊薬を服用します。
ケース⑦ 最終月経が通常通りでない、いつもの月経と違う(量が少ない、持続が短い、予定とずれた、など)
この場合は、月経と考えていた出血が月経ではなく、出血は出血でも異常妊娠による出血の可能性も否定できません。妊娠検査薬を使用し妊娠していないことを判断してから、緊急避妊薬を使用します。その上でなるべく早期に産婦人科に受診をするのが安全です。子宮外妊娠などを起こしている場合など重篤なことになることも考えられます。
ケース⑧ 1つ前の周期に△がある場合
通常通りの最終月経であったとしても、異常妊娠による不正出血の可能性も考えれます。妊娠検査薬を使用して妊娠を否定してから今回の▲について緊急避妊薬を服用します。
自分の体についての不安
緊急避妊を行うような状況が初めての場合などは、とても不安になることが十分に考えられます。少しでもお考えの整理の助けにもなりますので、よく質問される内容についてまとめます。
生理周期が乱れているが使っていい?
もちろん緊急避妊薬を使用して構いません。その際の注意点は上の記事のケース③を確認してください。妊娠していない方が緊急避妊薬の服用をすると、排卵が2~5日ほど後ろに伸びるため、それに合わせて生理周期ももう少しゆっくり遅れてくる(3~7日程度の遅れ)ことがほとんどです。
不正出血があったら妊娠なのか緊急避妊薬の副作用なのか分からない
次の場合の出血について不正出血なのか妊娠の可能性なのかについて考えてみまとめます。
出血が5日以上、量がいつもの月経量または量が多い、2~3日目がピークの場合
お薬の効果により妊娠の可能性はほぼ否定できると考えられます。ただし100%は無いため、緊急避妊薬の服用3週間後に妊娠検査薬の使用で判定することをお勧めします。
月経のようだがやや軽い、または短い
緊急避妊薬の服用後に良く起こりやすい出血の様子です。薬の服用3週間後に妊娠検査薬の使用が望まれます。
出血が月経より明らかに軽い、茶色で少量が絶え間ない出血、1~2日で終わる場合
妊娠の可能性を完全には否定できません。原則は薬の服用後3週間後に妊娠検査薬を服用するか産婦人科を受診しましょう。
授乳中・持病・服用中の薬があっても大丈夫?
授乳中の場合
緊急避妊薬の成分は乳汁中に移行するため、緊急避妊薬服用後24時間は授乳を避けるようにとされています。
持病について
重い肝機能障害がある場合は、緊急避妊薬の服用は避けるべきとされています。肝機能障害を指摘されている方が緊急避妊薬を服用する場合は、販売ができないことがあります。そして重い肝機能障害の場合の妊娠はリスクが高いため、緊急避妊については産婦人科を受診することをお勧めします。
服用中の薬がある場合
緊急避妊薬と飲み合わせが絶対的にいけないというお薬はありません。そのため緊急避妊薬の服用が優先されますが、緊急避妊薬の効き目を弱くしてしまうお薬や成分は一部存在します。
抗てんかん薬、HIV治療薬、結核等で使用する抗菌剤、ハーブのセイヨウオトギリソウなどは緊急避妊薬の効き目を減らすことが知られています。自分の服用薬が該当するか知りたい場合、詳しくは医師、薬剤師にお尋ねください。
未成年でも体に問題はない?
まだ臓器の発達が完全ではない未成年の方でも緊急避妊薬を服用したあとの体への影響は知られていません。緊急避妊を行うと判断された場合は、その有益性(これからの体の健康に対して緊急避妊を行った方が良いと考えられること)の方が高いと考えられます。
「自分の体はもう普通じゃなくなるのでは」という恐れ
緊急避妊薬を服用しなければならない状況というのは、誰にでも起こる可能性があります。緊急避妊薬の服用によって今までの体質と変わってしまうということはありませんから、安心してください。適切な判断と薬の正しい服用ができれば、不安や緊張などの気持ちがあっても、薬は体の中でその効果を発現しようとします。もしも気持ちが落ち着かない場合、どなたか信頼できる方はいらっしゃいますか。自分だけで考えたり、思いを巡らすことがないようにしましょう。自分の状況を理解してくれる方がいると、それで気持ちが少しずつ安定に向かうと信じています。
避妊ができなった。これからどういう体調変化が起こるの?
緊急避妊薬を速やかにそして適正に使用した場合は、できることは全てやったことになりますから、そのご自身の判断と行動には自信を持っていただきたいと思います。しかし、できることを尽くした後もこれからどんな変化が起こるのか、そのときにどう判断すべきかを迷うことが多いはずです。
生理はいつ来るの?遅れたらどう判断すればいい?
緊急避妊薬を服用して緊急避妊が成功した場合は通常の月経がだいたい3~7日程度遅れることが多いと言われています。その際の月経がどういった月経か、普段の月経と同じか、それとも違うのかによって効果を判断する材料とします。(詳しくは「こちらを」ご覧ください。)そして緊急避妊薬を服用後3週間後に妊娠検査薬を使用するか産婦人科受診を検討します。
出血=成功なのか失敗なのか分からない
結論から言うと、出血=成功とは必ずしも限らないと言われています。出血の様子が普段の月経と同じか、経血の量や、色、出血期間などが判断の材料として考えられます。(詳しくは「こちらを」ご覧ください。)
次の生理まで不安な期間をどう過ごせばいい?
なるべく普段通りに過ごすことが良いとされていますが、緊急避妊薬がしっかりと効いてくれるのか、どなたでも心配になります。考えすぎたり、集中できなかったり、イライラしてしまったり、どんな方でも気持ちや体調がいつも通りではないことがあります。
効果の判定までの不安定な気持ちになっている期間は
- 可能な限り無理をしない
- 仕事や学業、部活動などを詰めすぎない
- 衣服の締め付けの少ないものを身に着ける
- 体(特にお腹)を冷やさない
- お腹や腰をホッカイロなどで温める
- 冷たいものを摂り過ぎない
- お風呂でリラックスする
- ご自身が好きな匂い、リラックスできる香りのものをそばに置く
- 誰かと一緒に過ごす
- スマホで調べ過ぎないようにする
- 深呼吸を意識的に行う(吸う時間よりも、吐く時間を多めにとる、例:5秒吸って、3秒息を止めて、15秒吐くなど。息を吐くときにリラックスする神経が働き出し、心拍数が落ち着きます)
- しんどくない程度にストレッチをする(緊張で体がこってしまいさらに緊張が強くなるのを防ぎます)
- 自分で自分を責めすぎない
妊娠検査薬をいつ使えばいいの?
緊急避妊を考える際に、妊娠検査薬の使用目的は2通りあります。
(様々なケースが考えられますので、読んでくださっている方に当てはまらないときはご容赦ください。)
①緊急避妊薬を服用する前に、その時点で妊娠していないかを確認するため
緊急避妊薬を服用する前に妊娠検査薬を使用することがあります。緊急避妊薬は中絶効果を持たないため、仮に薬を服用する時点で妊娠していた場合は産婦人科を受診しなくてはなりません。受精が成立している場合の緊急避妊薬の母体や受精卵に対する影響については「こちら」をご覧ください。
②緊急避妊薬を服用して3週間後に、お薬の効果を確認するため
緊急避妊薬の効果は出血だけで判断するのは避けた方が良いと言われています。それは『出血=生理が来た=妊娠していない』とは100%断定できないためです。たとえ少ない可能性でも妊娠していて数週間時間が経過した場合は、その後に取りうる方法・選択肢が少なくなります。産婦人科を受診するか、妊娠検査薬の使用を行いましょう。
病院に行くべき症状と様子見でよい症状の区別がつかない
気持ちのことでも、体のことでも、心配なことがあるときはいつでも産婦人科の受診を検討してください。
その上で
- 妊娠検査薬で陽性反応が出た
- 月経が来ない
- 痛みがひどい
- 出血が続く
- 妊娠検査薬で陰性で月経が来たとしても、いつもの月経とは明らかに異なる
以下の項目は緊急避妊薬の説明ではありません。
服用される方の状況や背景に関する内容です。薬局で薬剤師と対面でお話しずらい内容についてまとめています。

避妊できなかった状況について
避妊ができなかった状況、避妊をしてくれなかった状況、それを強い意志で拒否できなかった、そもそも拒否できなかった、ご自身を責めてしまう方もおられます。
女性には責められるべき点は全くありません。もちろん、私たち販売する側がその状況について責めるようなこともありません。その点にまずは安心していただき購入しに来てください。
たとえば、
- コンドームが破れた/外れた
- 相手が避妊に非協力的だった
- 「大丈夫」と言われて断れなかった
- その場の空気や力関係で言い出せなかった
という場合についても
自分の判断力が一般の方から責められることはありません。
精神的な心のこと、体よりも心のダメージが大きいケースも非常に多い
予想もできなかった、どうして自分なのか、頭の整理がつかない、逆に何も考えたくないなど、心の状態が不安定になること。
不安定な精神状況が起こらないことに越したことはありません。ですがむしろそういられる方は本当に少数です。
ほとんどの方は以下のような感情や気持ちになるかもしれません。
- 強い不安、恐怖、後悔、自己嫌悪がある
- 「自分が悪かったのでは」という罪悪感がある
- 誰にも相談できず孤立してしまう
- 眠れない、集中できない、涙が止まらない
- トラウマ反応(フラッシュバック、回避、過覚醒)
特に、眠れない、集中できない、涙が止まらない、トラウマ反応などがあるときは、ご自身の体を守ろうと精神が体を守ろうとしてかなりの負担がかかっている状態だと考えられます。自分のことを相談できる信頼できる人に、つらい胸の内を話してください。
もしも、
- 誰にも相談できない
- 相談してはみたけれども、次に何をすればいいか分からない
- 他の専門家に相談したい
その場合には次の4つの方法があります。
①ワンストップ支援センターに電話する
性暴力被害への対応機関の1つです。
- 警察に相談するかどうか迷っている/決められない
- 警察に相談したいがどうすればいいか分からない
ワンストップ支援センターでは、被害届のことや、医療の必要性などの確認、説明、選択肢を教えてくれます。
そして、警察署へ一緒について同行してくれたり、希望がある場合には産婦人科への橋渡しをしてくれます。
最後は、生活を取り戻すために支援してくださいます。
ワンストップ支援センターの連絡先 電話で『♯8891』で発信してください。
ワンストップ支援センターとは?
②配偶者暴力相談支援センターに電話する
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を目的とした相談機関です。
令和元年度~6年度(2019年~2024年)は、全国で年間12~13万件の相談がありました。
こちらのセンターには1日あたり平均して300件以上の相談が寄せられています。
相談することは、我慢すべきことではなく、特別な事でもありません。
配偶者暴力相談支援センターの連絡先 電話で『♯8008』で発信してください。
配偶者暴力相談支援センターとは?
③最寄りの警察署または性犯罪被害相談電話へ電話する相談する
加害者の処罰を望む場合は、警察署への相談が考えられます。
最寄りの警察暑の連絡先が分からないときは、
性犯罪被害相談電話の連絡先 電話で『#8103』で発信してください。(全国共通)
性犯罪被害相談電話とは?
警察署は犯罪一般の相談窓口ですが、性犯罪被害相談電話はより配慮した対応をしてくだいます。
④産婦人科や緊急避妊薬を販売する薬局へ相談する
緊急避妊は時間との勝負になります。薬を服用するまでの時間が短ければ短いほど、避妊効果が高いです。まずは緊急避妊をする、と決めたときは、速やかに産婦人科や緊急避妊薬を販売する薬局へ相談してください。
DV・支配・強要が関係する場合
緊急避妊を希望する方の背景や状況は様々なケースがあります。以下の内容が必ずしも読んでくださっている方々の置かれた状況と違うこともあるとおもいますが、その場合はご容赦ください。
性行為を断れなかった/避妊を拒否された、外された
ご自身が妊娠を希望しない場合は、速やかに緊急避妊薬の服用を検討してください。
たいよう薬局横手店の連絡先:0182-35-6676
「緊急避妊薬を購入したい」とお伝えください。(費用:税込み7480円)
または最寄りの産婦人科へ電話で相談して、緊急避妊薬を処方してもらうことができます。(費用:診察料と薬代)
妊娠への進行を妨げる手段を速やかに実行したうえで、あとの対応を考えます。
薬を飲むこと自体を相手に知られると危険
相手の監視の目が厳しい場合などは、次の方法が考えられます。
比較的短時間の外出が可能
病院または薬の取り扱いのある薬局に立ち寄り、速やかにお薬の服用を検討します。
受診や相談が制限されている
外出さえも難しいときは、電話などで「ワンストップ支援センター」または「警察署または性犯罪被害相談電話」へ連絡する機会をうかがってください。
相手に連絡が行くのではないかという恐怖
相談支援センターや警察機関、ならびに医療機関や、薬局には「守秘義務」が存在します。
相手から問い合わせがあったからといって、情報が伝わることは当然考えられません。
相手や自分以外の第三者の視点で、あなたの権利が守られるために、現在の状況を分かってもらえることで、打開策が見えてくると信じています。
犯罪(性暴力・不同意性交)が関係する場合
緊急避妊は「被害者を守る医療」であり、責任は被害者にありません
どのようなケースが犯罪になるのかが分からなくても、ワンストップ支援センターには相談することができます。以下の内容が必ずしも読んでくださっている方々の置かれた状況と違うこともあるとおもいます、読んでいて辛いときは記事を飛ばしてください、そしてその場合はご容赦ください。
- 同意していない、意識が無かった
- 怖くて抵抗できなかった
- 記憶が曖昧で「犯罪と言っていいのか」分からない
- 警察に行くべきか、行かなくてもいいのか
上のような状況に完全に当てはまっていなくても、自分はまだ大丈夫と思っていも、ワンストップ支援センターに問い合わることができます。現時点で取ることができる最良の方法を教えてくれますし、犯罪の場合には、お薬代や診察代が全額公費負担になることがあります。
- 証拠や記録、時間制限への不安
何の証拠や記録かと申しますと、今後加害者の処罰を望む場合の裁判の証拠や記録は、犯罪行為が起こってから時間が経つにつれてその証拠が失われていくと言われています。そして緊急避妊薬の服用にも行為が起こってから72時間の時間制限があります。
急に起こった状況では、冷静でいられる人はほとんどおりません。冷静な判断を一緒にしてくれる、あなたの身近な信頼できる方と、それぞれの支援センター、警察機関、医療機関、薬局などに是非ともお話いただければと思います。
プライバシー・周囲に知られないか
緊急避妊薬の服用や、経験した犯罪の情報などが守られずさらにつらい環境になることが絶対にならないように、関係者は情報のセキュリティーには常に最大限の気を配ることが求められています。薬局で緊急避妊薬を購入された場合も同様です。
家族・親・パートナー・職場に知られたくない
たとえ未成年者であっても、個人の希望が尊重されて、緊急避妊薬を購入することができます。そして聞き取りの内容も最低限です。個人情報を細かく聞くことはありません。また知りえた内容を外部へ持ち出すこともありませので、安心してください。
保険証や記録でバレないか
緊急避妊薬の購入は少なくとも当薬局では身分証の提出は不要です。また健康保険を使用することはありませんので、保険証の提出も不要です。
薬局や医療機関で責められないか
正直に申し上げると医療機関で被害者の行動をとがめるようなことを言われたということは、残念なことですが聞かれます。
しかし本来はカウンセリングの面から考えても被害者に落ち度があるようなことを医療機関や薬局で言うことは戒めるべきとされています。
え少なくとも私共の薬局では、薬の服用をご希望する方のプライバシーを侵害して、二次的なショックを与えるような言動はしないことを厳守しています。
地方で噂になるのではという恐怖
田舎であればあるほど、そういう不安や心配が起こりやすいことも良く理解しています。
私達の薬局について申し上げれば、処方せんだけでなく漢方相談や健康相談を行っていますので、処方せんを持たなくても薬局を利用する方は沢山いますし、処方せんを持たなくても来局してお薬を選んでそこでお薬や漢方を飲んでいかれる一般のお客様もおられますので、特殊な目で見られることはありません。是非、その点は安心してください。
今後の健康・将来への不安
ご自身の体と心のことを優先的にケアしていきましょう。それでも今後の不安があることも大変多いと思います。薬局のいち薬剤師としてお話ができることは限られてしまいますが、もしも相談された場合という仮定のもとでお話をすることをお許しください。
性感染症の検査は必要か
避妊されなかった、避妊が完全になされなかった性交渉は、当然性感染症のリスクもあると考えられます。また将来の不妊や婦人科の病気につながる感染症の場合も考えられるため、専門医(産科・婦人科)の診察を受けて検査をうけることをお勧めいたします。
性感染症の検査は必要か
今後どうやって避妊すればいいのか
また同じ状況になったらどうすればいいか
パートナーとの関係をどう考えればいいか
今後どうやって避妊すればいいのか
様々な選択肢・対策が考えられます。年齢、状況、環境によってできることが異なりますので、一概に論じることはできません。
もちろん犯罪の場合は論外ですが、緊急避妊を要する方のアンケートによると加害者または相手があなたの全く知らない人物であるということはむしろまれです(面識のない人物は全体の10%程度)。
あなたが相手とは離れたいと意思をお持ちの場合、相手と離れて生活していけることが一番の対策であることは言うまでもありません。ただし、それがすぐに実現できない、叶わないような状況である場合もあります。前置きが長くなりましたが、そのようにお断りをした上で、避妊方法を参考にあげるとすれば、こちらを参考にしていただきたいと考えています。
また同じ状況になったらどうすればいいか
同じような状況にならないようにと願わない方は1人もおられないと思います。そういった状況になる危険性を今後回避していくように冷静に考えて、危険を回避することが一番であると考えます。
パートナーとの関係をどう考えればいいか
もしも相談を受けた場合にはあなたが取ることができる選択肢について第三者の視点をもってお話をさせていただくことに労力は惜しまないつもりでおります。これについては個別にご相談いただくか、ワンストップ支援センターへ連絡して、そちらでも様々な意見をもらうことができると思います。
あなたが決定できること、持っているもの(権利)
緊急避妊薬を使う権利は「自己決定権」
責められず、説明を受け、選択できる権利
暴力、強要、犯罪から守られる権利
秘密を守られる権利
心理的ケアを受ける権利
「使う/使わない」を自分で決めていい権利
終わりに
緊急避妊薬を必要とする状況は、誰にでも起こりうる可能性があることで、恥でも失敗でもありません。
必要なのは「責任追及」ではなく、正確な情報、心と体の安全、女性自身の尊重です。

