慢性腎臓病に漢方相談がお勧めな理由①

気になる!
漢方薬で腎機能は回復するの?

実際にご相談者様のお話を聞くと次のような話をよく聞きます。

「病院の先生から『腎機能は悪くなることはあっても、良くなることはありません』と言われてきたよ・・・」

私も昔は、薬科大学の教育や卒後の研修でも「腎機能は今ある機能を温存することはできても腎機能を回復することはできない」と習い、当然そう思っていました。


東洋医学に出会うまでは。


そして他の漢方薬局や相談薬局の先生方とお話をして、今はこう言えます。

結論:
漢方相談と食事の見直し・運動で、良い結果が出た人が沢山います。

この記事は、どんな考えでどう腎機能が変わって良くなっていくのかについてまとめています。


良い方に結果が出るときは2種類あります。

①数値が改善した人
②数値が下げ止まった人

みなさん、もちろん①の数値が改善する結果をご希望されます。しかし初回相談時の数値が非常に悪い方の場合、そして漢方相談のご予算がかけられない方は先ずは②のように数値の下げ止まりを目指します。


最終目標はどこまでなのか?と考えたときに、
腎臓の機能回復の目標を10代・20代の水準まで回復させる必要はないと私は考えています。

・人生を全うするまで透析にならない程度で腎機能を推移させて欲しい
・厳しい食事制限を医師から求められるような検査結果のラインを回避したい
など、お客様のご要望や目標も様々ですので、それに合わせて推奨する漢方薬・商品・食事指導・運動指導などが変わります。

この記事を読むと、

・腎臓と慢性腎臓病の意外と知らない事実
・どういうケアの方針を立てるのか
・漢方にどんな効果を期待しているのか
・実際の検査値について

ということが分かります。

それにより今までは病院以外のところへ腎臓病のことを相談することに否定的な気持ちがあったとしたら、病院での治療以外の方法に対してイメージが湧きやすくなります。

そして他の選択肢があることが理解できるようになります。
腎臓が悪くなっていくことへの不安や焦りを軽くすることができます。

【ここが最重要!
腎臓の事実とケアの考え方3選】

ここからは、たいよう薬局横手店で行う慢性腎臓病のご相談を考えていただく前に、その前提になる腎臓の事実について書きます。それに基づいて、どう腎臓をケアしていくかについてご説明します。

腎臓の基本的な事実①
・腎臓には予備能力がある

ほとんどの方が腎臓には予備能力があるという話を聞いたことは無いと思いますが、とても重要です。

腎臓の主要な働きの1つに「血液をろ過してきれいにして全身に戻す」機能があります。

血液をろ過する腎臓の最小単位を『ネフロン』と呼びます。
このネフロンが一つの腎臓に100万個あります、それが左右の腎臓あわせて2つで200万個のネフロンがあります。
このネフロンで日々血液をろ過して、原尿を作り、原尿からさらに再利用できるものは再吸収し、不要なものは尿に排出して最終的に膀胱に尿を送り出し排尿して体から排泄されます。

ネフロンは大きく分けて3種類の状態が存在します。
①壊死している状態で、将来にわたり回復することがないネフロン
②現在も元気に活躍して血液のろ過を行っているネフロン
③休眠中で休んでいるネフロン

『①、②は分かる。でも③は、、、??』と、皆様そうではないでしょうか。
簡単に説明しますと

ネフロンの中には、
機能は正常なのに使われていない「予備のネフロン」がある

ということです。

使っていない細胞や機能が存在するのは腎臓だけではありません。脳や肝臓や筋肉も全てそういう予備機能があります。

腎臓の予備機能の例① 腎移植を例に

ある人の腎臓移植をすることにしました。理由は、腎臓が2つとも何らかの理由で機能しなったからです。

その際に、健全な人の腎臓が2つあって腎機能が「100」だったとすると、腎臓をあげた人は腎臓が2つから1つになりますから腎臓をあげた後の腎機能は「100」から「50」に低下します。

そして腎臓をもらった人は腎機能が「0」→「50」になったことになります。

普通の考えなら、腎臓をあげた人も、もらった人もこのまま「50」のままで経過するはずですが、実際は移植後1~2年でどちらの方も60~70くらいまで腎機能が回復することをご存じでしょうか。これは腎移植業界では割と普通の事実です。実際にウェブサイトで同じような記載をしている臓器移植センターも存在します。

腎臓の予備機能の例② 高タンパク食を例に

お肉や魚、豆などのタンパク質を沢山食べた後は、腎機能が普段よりも活性化して血液のろ過機能が上昇します。これは生理学の教科書にも書かれています。筋トレ愛好家やボディビルダーはタンパク質を普段から沢山摂る傾向にあり、腎機能が亢進して高まっている(ただ過剰に腎臓に負担がかかることもあります)と考えられます。

他にも日本のある医科大学では「腎機能の予備能」に関する研究報告がありますが、その論文内でも腎機能(eGFR)を2割程度上昇させる方法についての説明があります。

まとめると、腎臓には機能は正常なのに普段は休んでいる予備機能(予備のネフロン)が存在します。
その予備能をうまく活用したい、それが私の腎臓病ケアの基本の考え方になります。

慢性腎臓病に漢方がお勧めな理由②へ続く

慢性腎臓病(CKD)の治療には

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