【手術しない】いぼ痔の治し方②【薬】


本記事の内容

その②:いぼ痔を小さくするための生活習慣【5選】

ここでは、いぼ痔を小さくするための生活習慣について5つお話をします。
痔は慢性病です。
知らず知らずのうちに良くない生活習慣が普通になることで、痔が良くなるのを邪魔してしまいます。

何のために生活習慣を良くするのか、というと血流を良くするためにです。(血流と痔の関係はこちら

それではいってみましょう。

その②:いぼ痔を小さくするための生活習慣【5選】

  1. 入浴をするときシャワーだけで済ませない
  2. 便通を良くする
  3. ストレスや緊張の影響を減らし、我慢しないようにする
  4. 辛い物、冷たいものを避ける
  5. お尻の血流を意識した生活・運動

生活習慣1つ目:入浴をするときシャワーだけで済ませない

お風呂に入ったとき、シャワーだけではありませんか?湯船に入りますか?

湯船に浸かって体の芯から温まるということは、全身の血流を良くするために非常に重要です。
湯船に浸からない方へ話をお聞きすると、だいたい3つの答えが返ってきます。

・入浴後に、体が暑くなる
お風呂は1日1回体を内部から温めて、疲労物質を流すための習慣です。
体質的な問題で、頭が熱く、手足が冷たい人(上熱下寒)が増えています。
そういう方は嫌がります。
その体質を解決しないと、湯船に入ろうという気持ちが起きないかもしれません。

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一つ言えるとすれば、お風呂の温度が高すぎないでしょうか。
夏場は特に40℃か、人によってはもうすこしぬるくても大丈夫です。
冬は入浴後に風邪を引かない程度に、寒くないお好きな温度で良いですが、暑すぎるとかえっていけません。

・いつまでも汗をかいてしまって嫌だ
このような方も、お風呂の温度が高い可能性があります。
夏場は39℃くらいでも、良いのではないでしょうか。
お風呂後に汗が出すぎない程度でいいので、ぬるめの温度で入れるといいですね。

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・身体が温まって眠れなくなる
お風呂に入ると眠れなくなる人は、湯船に入る時間が20分以上ありませんか?
冷え性だから長い時間お湯につかる人もおおいですよね。

普通は夜にお風呂に入ると、体の緊張がほぐれ、副交感神経(リラックス神経)が優位になり、眠るための神経バランスに促されていきます。
しかし、温かいお湯にギリギリ15分くらいまでなら緊張がほぐれます。
しかし、それ以上の時間ずっと入っていると、今度は交感神経(働くモード神経)が元気になってしまいます。
そうすると眠くなるどころか、目が冴えてきて、寝つきが悪くなったり、睡眠の途中で目が覚めてきたりします。

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こういう場合に注意することは、まず湯船に浸かる時間を10~15分にすること。
そしてお湯の温度設定をいつもより少しぬるめにすることです。

もちろん、冬は風邪を引かない程度の温度にしてくださいね。

そして、お風呂では仕事のことや心配事について考えたりせず、ボケ~っとして、脱力してお風呂を楽しんでください。

いつもず~と何か考え事をしてしまう人、日中に仕事やストレスで緊張状態が続いている人が多いです。


生活習慣2つ目:便通を良くする

まず、便秘は良くありません。
便秘をすると必然的に便が硬くなります。
すると、おトイレでお腹に力を入れて出そうとします。そしてうっ血して痔が悪くなります。

また便秘をすると腸内細菌のバランスが悪い菌が優勢になり、肝臓にダメージを与えるアンモニアなどが生まれやすくなります。肝臓がダメージを受けると痔が悪化します。

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ベストの便通とはどういうものと言われているかというと、

  • 1日1回排便がある、力を入れなくてもスルーっと出る。便秘していない。
  • 便器の水に便が浮く
  • バナナ状~半練り状。水っぽくなく、固すぎないこと。
  • 色は黄色か黄色に近い茶色が良い。黒っぽくなくて、血が混じらない。

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これら全てをクリアするのは難しいですよね。
なるべく近づくために3つご紹介します。

・野菜、キノコ、海藻類を意識的に今よりも多く食べる。
野菜が少なくて、その分甘い物(お菓子、菓子パン)、精製された炭水化物(パン、白米、白砂糖)、脂っこいおかずが多いと、腸内細菌のバランスがより悪い方へと向かいやすくなります。

腸内細菌のバランス悪い方向へ行かないようにするために、野菜などがとても良い働きをしてくれます。食物繊維をきちんと摂ることが大切です。

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・腸に良い細菌(善玉腸内細菌)を応援する食品をとること。
発酵食品を摂りましょう。
例えば、味噌、しょうゆ、ぬか漬け、ヨーグルト、キムチなどです。
赤ちゃんのウンチは酸っぱいにおいがしますよね?便のにおいや色は、赤ちゃんの時のものが一番良いと言われています。
乳酸菌が腸の中に沢山ある証拠です。

さらに、オリゴ糖を含んだ食品もお勧めです。腸内の善玉細菌を増やす働きがあります。
例えば、母乳、はちみつ、大豆などの豆類、野菜(たまねぎ、ねぎ、ごぼう、にんにく、アスパラガス、ブロッコリー、カリフラワーなど)、果物(アボカド、バナナなどです。

発酵食品やオリゴ糖によって、腸内の善玉細菌のバランスが良くなると、腸の粘膜の回復を早めたり、肝臓を元気に回復する成分(短鎖脂肪酸)がたくさん生まれます。そうすると膨らんだ粘膜(痔は血豆)は元に戻りやすくなります。肝の吸い上げが良くなり血流に良い影響を得られます。

・食事を良く噛むこと
良く噛むことと痔がどう関係あるかというと、ストレスの影響が減るそうです。

そして唾液が沢山出ることと、食べ物が小さな欠片で胃に到達するので消化吸収が楽になり胃腸が疲れにくくなります。
アレルギー・喘息・アトピーなどの方に、その反応を和らげるために必ずお話をさせていただくのが、噛むことと消化吸収のお話です。

アレルギー・アトピーと消化吸収
過敏な反応には原因がある

胃腸は基本です。体の回復力が上がるのは、栄養がきちんと病変部に回ることが必要です。
胃腸の強い人でも早食いの習慣がついていると、ご年齢を重ねるにしたがってだんだんと胃腸が疲れていきます。

「ひ弱い」という言葉を聞いたことがありますよね。
疲れやすい、体が弱い、元気がない、病的に痩せている、などの意味を含みます。

「ひ」というのは「脾」のことと言われていて、「脾」とは胃腸の消化吸収機能のことを漢方では言います。

良く噛まない習慣が続くと、脾(胃腸の消化吸収機能)の働きが落ちて、「ひ弱く」、疲れやすくなります。
ご飯を食べたあとに眠くなる人などは、食事の時にたくさん噛んでみてください。
食後の眠気、だるさが起こりにくいです。

1口30回と言います。やれる人はそれで構いません。

なかなか難しいという方は、一口に食べる量をいつもの3分の1くらいにしてみてください。
そして20回だけ頑張る。
沢山の量を30回噛むより、一口を少なくして20回噛んだ方が、結果として沢山噛んだことになります。

何よりも大切なことは、食事を楽しむことですね。
1人で食事するよりも、気の合う人とゆっくり食べると良いですね。


生活習慣3つ目:ストレスや緊張の影響を減らし、我慢しないようにする

痔で重要な内臓だと申し上げた「肝臓」です(詳しくは、こちらを参照)。
肝臓はストレスの影響をものすごく受けやすく、ダメージを受けます。
一時的なストレスであればさほど問題はありませんが、ストレスを長期間感じやすい環境下は良くありません。


以前、友人とマイホームを建てるべきかどうかの話をしたことがあります。
その友人曰く「俺は自分で家は建てない、賃貸派だ。新しい建物に定期的に引っ越しした方がいいし、家を建ててずっと住まなくては行けなくなって隣人が最悪な人だったらどうする?一度家を建てたら、もうそこから簡単に移動できないし、そんなのしんどくない?」と言われて、なるほど、一理あるなと感じたことがあります。

ストレスの元は回避できるなら、回避すべきです。

でもほとんどの人はそう簡単にはできません。
我慢が続くと、食欲が無くなったり、眠れなくなったり、体調に影響が出てしまいます。
調子が悪くなり、具体的に何か病気があるか?と思って病院で調べても、特に何ともないですね、と言われる場合もあります。
このような精神状態が体の不調に影響を及ぼすことを心身症と言います。

精神状態が優れないときに、原因不明の不調が現れるのは、自律神経のバランスが崩れたせいだと言われています。

漢方薬は、このような原因不明の不調はすごく得意です。
ストレスの環境を変えられないなら、その影響を受ける体を図太くしてあげて、ストレスが内臓に影響を与えないようにしてあげることです。

図太くなる漢方って?

2つストレスの影響を減らす方法を記します。

・アロマ、入浴剤など、好きなにおいを上手に使う
お風呂に入っていると、体はリラックスしやすくなります。
その時に、好きなにおいや柑橘系のにおいなどをかぐととても良い影響があります。

例えば、ミカンを食べ終わった後で、お風呂にお湯をはるときに入れてください。
もっと上の効果を目指すなら、皮を2~3日乾かしておいて入れておくと良いです。
すごくおすすめします。
ゆず湯にしても良いと思います。

入浴時でなくてもできることがあります。
アロマをお部屋でたいてもいいです。

仕事の合間に、コーヒーのにおいをかぎながら、チョコレートを一口、ほっと一息。

鼻が通るようなイメージです。

・嫌なこと、やるべきことから離れて、心から楽しめることをする
ショックなこと、悲しいことがあったときに、仕事をしていると気が紛れること、ありますよ。
人間は暇があると、心が気になることに囚われてしまい、のびのびとした気持ちになれなくなります。

自分が没頭できる、楽しいこと、好きなことを行う時間を意識的に作るようにして、囚われた心を発散してあげましょう。

漢方では肝臓は、のびのび、気のおもむくままに、行きたい方向へ行ける状況が一番良いとされています。(中国語で「のびのび、気のおもむくままに」という意味を持った肝のための漢方薬があるくらいです)

そういう趣味が無いんだよね、という人は、何か見つけてみてください。
体を動かせるような趣味があると良いと思います。


生活習慣4つ目:辛い物、冷たいものを避ける

辛い物は、炎症をひどくします。炎症とは「熱い、腫れる、痛い、赤い」などのことで、まさに痔の状態そのものです。漢方や中医学では、症状の寒熱を見分けますが、痔は熱証です。「熱証の症状」を悪化させるので、辛い料理は控えましょう。

かと言って、冷たいものを食べればよいかというと、それもやりすぎは禁物です。
冷えると凝縮性(縮こまり固まること)が高まり、血液の流れが悪くなります。
冬に手がかじかみます、あれは冷気を感じた手の表面から血の気が引くために、動かしにくくなります。

冷え=血流の悪化です。

たとえば
どうしてもアイスを食べたくなったら、
冷たい飲みものを飲みたくなったら、
一口含んで口の中でしばらく置いてから、ゴックンしてください。

たいてい熱く感じるのは頭部です。
ビールなどはのど越し良く感じるためには冷たいまま飲み込みたいところです。
ですが胃腸の動きが悪くなり、内部から冷えます。
それが続くと血流が慢性的に悪くなり、全身の血流悪化になり、痔が悪化しやすい体質になります。

なるべくなら常温の方がいいですが、冷たいものをどうしてもという時は口の中で温度を与えてから、胃に入れるようにすると良いと思います。


生活習慣5つ目:お尻の血流を意識した生活・運動

お尻の血流を良くするための運動を2つご紹介します。
運動、と聞くと大変そうな気がしますが、これは座っていてもできる運動です。

・1つ目は『肛門締め運動』
肛門締め運動は、お尻の周辺の血流を改善するとても良い運動です。

やり方は、肛門を意識して、キュッと1~2秒力を入れて、そして脱力します。とても簡単です。
肛門締め運動をすると、肛門、直腸だけでなく、お腹や背中の筋肉の血流も改善します。尿漏れ対策として骨盤底筋を鍛えることにもつながります。
定期的にやるようにすると、体がポカポカします。

・2つ目は『かかとつま先上げ運動』
この運動は、ふくらはぎの運動です。これも座ってできる運動です。ですが、効果は結構あります。

座った状態でも、何かをしながら立っている状態でもできる運動です。
立ってやるとき(歯磨きしながらとか)は、転ばないように注意してください。
何かをやりながらの、「ながら運動」としてもとてもお勧めできます。

この運動もやり方は簡単です。
先ず、足のひらを地面につけます。
次に、つま先を5cm上げます、そして5秒したら元に戻します。
今度はかかとを5秒cm上げ、5秒したら元に戻します。
つま先とかかとを交互に上げるのを繰り返します。めいっぱい上げなくても5cmくらいで十分です。

これをやると、第2の心臓と呼ばれるふくらはぎの血流が良くなります。
地味な運動ですが、ふくらはぎの血流が良くなると、まず疲れ具合が違います。
そして、冷え性や生理痛、便秘の人にも良い効果が現れると考えられます。

運動不足になるとふくらはぎを使う回数も当然少なくなります。
足の血流が落ちると、酸素濃度と一緒に、血液の温度が下がります。
この冷えてしまった血液が心臓に戻るときにすぐ近くを通るのが、子宮と腸です。

子宮と腸は、足からの冷えた血液に温度を奪われ、温度が下がり月経痛がひどくなったり、腸の動きが悪くなり便秘や下痢の原因になりますので、是非とも低体温を防ぐためにもこれらの運動をためしてください。

いぼ痔を小さくするための5つの生活習慣についてお話をしました。
お薬の効果も上がりますので、是非やってみてください。

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